正倉院宝物は756年に光明皇后によって東大寺大仏に献納された聖武天皇ご遺愛品が核になっています。聖武天皇は生前より大仏を造立するなど、様々な菩薩行(ぼさつぎょう=人々に尽くす行為)を行ってきましたが、献納も自身の所有物をほとけに喜んで捧げる「喜捨」という菩薩行の一種と考えることができます。そして、仏教では菩薩の次のステップは仏(如来)です。とすれば、宝物献納は亡くなった聖武天皇が大仏の世界に往生し、仏の一人に生まれ変わることを願って行われた一大プロジェクトだったと考えることはできないでしょうか。この講座では、宝物献納にかけた光明皇后の思いを様々な資料から汲み取ってみたいと思います(以上 講師談)。
昨年度の内藤栄先生 公開講座「楽屋裏から見た正倉院展」の様子は下記URLからご覧いただくことができます。
/liaison/lecture/20120908/20120908.html
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