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大学院人間文化総合科学研究科 博士前期課程 化学生物環境学専攻

生物科学コース

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生物科学コースでは、さまざまな生物が織りなす生命現象の共通性と多様性を、 分子から生態系に至る多層的なレベルで捉える研究の実践と専門教育を通じて、科学的知識や論理的思考法を身につけ、社会で能動的に活動できる人材を育成することを目指しています。生物科学コースは、分子細胞生物学分野個体機能生物学分野生態学分野の三つの教育研究分野から構成されており、各分野にはそれぞれ複数の教員が所属しています。分子細胞生物学分野では、植物と細菌の共生、生体膜の構造と機能、菌類の染色体構造、原生生物における分子系統関係や細胞間相互作用、藻類における形態形成運動や多細胞化のしくみなどを題材に、生命現象を分子・細胞レベルで解析する研究・教育を行います。個体機能生物学分野では、動物の光感覚、哺乳動物の生殖生理学、ノックアウトマウスを用いた遺伝子機能解析、高等植物の環境応答や組織・器官形成などを題材に、植物や動物などの多細胞生物の、個体レベルでの構造や機能に着目した研究・教育を行います。生態学分野では、水生生物の生態と行動、生物多様性の維持機構や保全、顕花植物の繁殖生態とその進化、などを題材に、生態系レベルでの生命現象に注目した研究・教育を行います。以上のようにそれぞれは個性的な研究を実践している教員間、研究分野間、さらにはコース間での連携と相互補完によって、生物科学コースにおける教育と研究は、全体として個性豊かで高度な専門性と普遍性・学際性の両立を実現しています。  


<学位授与の方針>(ディプロマ・ポリシー)

【学位の前提となる教育理念】

 生物科学コースでは、生物科学を中心とした自然科学に関する正確で高度な知識やそれを精査・更新できる能力、論理的思考能力、健全な倫理観を身につけ、高いコミュニケーション能力をもって社会の発展に主体的に関わることのできる人材を育成します。そのために、研究倫理も含めた自然科学に関する専門教育および実践的な研究活動を通して、下記に示す能力を涵養します。

【身につけるべき力】

・生物科学を中心とした自然科学の専門的で正確な知識を基に、論理的・創造的に思考する能力
・様々な問題を自ら発見し、その解決に取り組むことができる主体性と実践力
・高度な専門知識や論理的思考能力を社会の中で役立てるために必要なコミュニケーション能力

【学位授与の要件】

 本コースで定められたカリキュラムを履修し、所定の単位を修め、修士学位論文を執筆して審査に合格した学生については、上記のような能力を修得したと認め、修士の学位を授与します。

<教育課程編成・実施の方針>(カリキュラム・ポリシー)

【基本的なカリキュラム構造】

 ほとんどの科目は1/2セメスター・1単位科目となっており、夏季あるいは年度末の長期休暇と合わせて海外留学や学外研修の実施がしやすくなっています。1年次前期には研究倫理教育を含む教養科目群を中心に履修し、大学院で学ぶための基礎を固めます。1年次後期からは各自の興味に応じて専門的な科目を履修します。また、博士前期課程の2年間を通して「化学生物環境学特別研究」、および「セミナー」科目をそれぞれ4科目履修し、実践的な研究活動を通じて、専門的な知識・技術や情報の収集・精査能力、課題の発見・解決能力、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力を身につけます。
 生物科学コースのカリキュラムは、専門的な論文の講読・発表・議論を行う「演習科目」、コミュニケーション能力を高めるための科目、学外・海外での研修活動や多様な学修履歴をもつ学生に対する個別指導のための科目、などが豊富に用意されていることが特徴です。

【学修成果の評価】

 学修成果の評価は、科目の形態に応じて筆記試験、レポート、発表などにより行います。

<入学者受入れの方針>(アドミッション・ポリシー)

【入学者選抜の前提となる教育理念】

 生物科学コースでは、生物科学を中心とした自然科学に関する正確で高度な専門知識、それを自発的・持続的にアップデートできる能力、論理的思考能力に加え、健全な倫理観を身につけ、高いコミュニケーション能力をもって社会の発展に主体的に関わることのできる人材の育成を目指しています。

【求める学生像】

 生物科学コースでは、上記の教育目標を十分に理解した上で、本コースで得られる自然科学に関する高度な知識や能力を将来、医学、食品化学、製薬、農学、環境科学などの諸分野で活かしたいという情熱と意欲のある学生を望んでいます。入学時までには、下記のような知識・能力を身につけておくことを希望します。
・大学の学部等において学修する数学や自然科学など理系の基礎および専門知識
・現代の自然科学を学修するうえで必要な英語の能力
・大学院における研究指導・教育を受けるために必要な言語的コミュニケーション能力

【入学者選抜の方法】

 入学者選抜にあたっては、英語の読解や作文、生物学についての知識、論理的思考能力、研究計画や将来に対する意欲などを、筆記試験と口述試験によって総合的に評価します。


教員の研究紹介

分子細胞生物学分野
鍵和田 聡
教授
細胞機構学
研究室HP
生体膜の構造と機能に関する分子生物学的研究
キーワード:出芽酵母、生体膜、小胞体、リン脂質
西井 一郎
教授
分子生物学
研究室HP
緑藻・ボルボックス目を用いた形態形成運動・細胞分化・多細胞化の分子生物学的研究
キーワード:緑藻、ボルボックス、クラミドモナス、形態形成運動、細胞分化
杉浦真由美
准教授
細胞情報学
研究室HP
原生生物の生殖と細胞間相互作用に関する研究
キーワード:繊毛虫、接合、性成熟、接合型、環境応答、共食い
岩口 伸一
准教授
分子生物学
研究室HP
菌類の染色体変異および核相変換に関する分子生物学的研究
キーワード:真菌、染色体変異、核相変換、微生物由来揮発性有機化合物、発酵微生物学
清水 隆之
准教授
細胞分子調節学
研究室HP
光合成細菌・藻類・植物を用いたレドックス応答と生理機能の調節に関する研究
キーワード:転写調節、硫黄代謝物、システイン修飾、葉緑体形成
個体機能生物学分野
渡邊 利雄
教授
個体機能学
研究室HP
遺伝子改変マウスを用いた、小胞輸送の高次生理機能の研究と、がん腫瘍維持メカニズムの研究
キーワード:遺伝子改変マウス、細胞内物流機構、ヒト疾患、低分子量 G タンパク質
酒井 敦
教授
個体調節学
研究室HP
植物オルガネラの増殖・分化に関する生理・生化学的研究、植物個体の環境応答
キーワード:葉緑体、ミトコンドリア、核様体、DNA 複製、転写
坂口 修一
准教授
細胞調節学
研究室HP
高等植物の組織・器官形成に関する研究
キーワード:遺伝子組換え技術、茎頂分裂組織 (SAM)、微小管、マイクロ CT、葉序
奈良 久美
准教授
個体調節学
研究室HP
植物の形態形成、及び水輸送に関する分子メカニズムの研究
キーワード:シロイヌナズナ アクアポリン 光応答 水輸送 根毛形成
川野 絵美
准教授
個体機能学
研究室HP
下等脊椎動物における非視覚系の光受容メカニズムに関する生理学的研究
キーワード:光受容、ロドプシン、松果体、非視覚、脳深部光受容器官
堀 沙耶香
准教授
個体機能学
行動最適化の原型回路モデルの動作原理に関する分子生理学的研究
キーワード:*C. elegans*、行動、神経、シナプス
岡本 麻友美
准教授
個体機能学
研究室HP
脳組織づくりの原理を探る研究
キーワード:脳、発生、神経前駆細胞、タイムラプスイメージング、力
生態学分野
遊佐 陽一
教授
集団生物学
淡水・海洋生物の生態・行動・進化に関する研究
キーワード:貝類,甲殻類,性,生活史,種間関係
片野 泉
准教授
陸水生態学
研究室HP
陸水生態系の生物多様性維持機構に関する研究、里地の小さな陸水域における生物多様性保全に関する研究
キーワード:河川,水生昆虫,食物網
佐藤 宏明
准教授
生態系生物学
研究室HP
群集および生態系レベルにおける生物多様性の構造・変動・保全に関する研究
キーワード:寄生蜂,生活史,潜葉性昆虫,鱗翅目,系統地理
井田 崇
准教授
植物生態学
研究室HP
植物の繁殖生態や繁殖形質の進化に関する研究
キーワード:進化生態学,フェノロジー,ポリネーション,交配様式,資源分配