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第17回女性史学賞授与式を実施しました(1月7日)

  奈良女子大学アジア?ジェンダー文化学研究センターは、歴史家で文化勲章受章者の故脇田晴子氏の提唱により2005年に創設された「女性史学賞」の運営を引き継ぎ、1月7日、本学としては5年目となる女性史学賞授賞式を行いました。「女性史学賞」は、ジェンダー視点をもつ優れた単著に与えられる賞で、通算第17回目となる今回は、三浦麻美氏(中央大学兼任講師)の『「聖女」の誕生―テューリンゲンの聖エリーザベトの列聖と崇敬』(八坂書房)が受賞作に選ばれました。
 今年度の授賞式は対面及びオンライン配信のハイブリッド形式で行い、冒頭、今岡春樹学長により、大学として「女性史学賞」の意義とともに対面で関係者が集うことの重要性が述べられました。
 次いで、女性史学賞授賞式並びに選考委員の武田佐知子氏(大阪大学名誉教授)による選評の後、三浦氏による受賞講演が行われ、同書が、信仰と慈善に尽くした聖エリーザベトがいかにして列聖され、また、その後どのようにして崇敬の対象となるに至ったかについて、社会情況をふまえながら複雑な記録?資料を読み解き、考察したものであることが語られました。続いて、三浦氏の大学院生時代の指導教員であり、西洋中世史、なかでも教会史に詳しい杉崎泰一郎氏(中央大学文学部教授)から、受賞作に対するコメントや、三浦氏の研究の更なる発展についての期待が述べられました。その後、会場及びオンライン参加者との間で活発な意見交換が行われ、盛会のうちに閉幕しました。
 「女性史学賞」は、創設者である脇田氏の遺族から本学への寄附金が原資となっていますが、2022年度には女性問題図書総目録刊行会からの寄附も受け入れ、同賞の運営に活用されています。

高岡センター長と三浦氏高岡尚子センター長(左)から第17回女性史学賞を受ける三浦麻美氏(右)