本学の教員と学生が携わる高エネルギー加速器研究機構(KEK)における新しい電子・陽電子リング加速器の実験でビーム衝突性能の世界記録を更新しました(6月26日)

 KEKは、2010年から工事を開始し、2018年3月11日に竣工したBelle II測定器の中心にビームを導く本格運転を開始したSuperKEKB電子・陽電子加速器において、6月15日に陽電子と電子を衝突させる性能(ルミノシティ)が、これまでの世界記録であった先代のKEKB加速器の値を超えたことを6月26日に発表しました。  
 この電子・陽電子加速器の実験には本学の自然科学系・物理学領域の林井教授・宮林教授ら高エネルギー物理学研究室のメンバーも主要な共同研究者として携わっています。  
 SuperKEKB加速器を用いたBelle II実験は、B中間子の崩壊過程におけるCP非保存(粒子・反粒子の物理法則の違い)を測定したKEKB加速器を用いたBelle実験の後継プロジェクトです。これまでの40倍のビーム衝突性能で大量データを蓄積することにより、測定値が示す標準理論からの小さなズレや、非常に小さな確率で起こる新現象を探索することにより、新しい物理法則の兆候を探すことを目的としており、その目標に向かって駒を進めたと言えます。

【6月26日 大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構 発表内容】
https://www.kek.jp/ja/newsroom/2020/06/26/1400/ (日本語)
https://www.kek.jp/en/newsroom/2020/06/26/1400/(英語)