奈良女子大学・近鉄文化サロン阿倍野連携<共催講座>


 本学は株式会社近鉄百貨店と平成29年4月に共同で文化事業を実施するための協定を結びました。それ以降、共催している本講座も6年目に入ります。今回は昨年度後期から引き続いて奈良をめぐる話題を取り上げます。みなさまのご参加をお待ちしております。


奈良再訪・再発見A―新しい見どころ―

 2022年4月に『続・大学的奈良ガイド――新しい見どころ60編』を公刊しました。2009年の『大学的奈良ガイド――こだわりの歩き方』公刊以降、本学の研究者たちが発表してきた奈良に関するエッセイを収めたものです。
 本講座は、前回に引き続き本学の研究者がさまざまな事物から浮かび上がらせる、奈良の新しい姿をご紹介します。模造教材が伝える正倉院、地割りが伝える奈良の景観、史料が伝える悲劇の皇子の転生、過去の観光パンフレットが伝える意外な奈良の魅力など、奈良の広がりと深みに触れていただきたいと思います。

【第1回】
・開講日時  2023年5月13日(土) 10:30〜12:00
・題  目  正倉院模造宝物と奈良女子大学
・講  師  六車美保
(京都大学総合博物館研究員/
              奈良女子大学非常勤講師)

【第2回】
・開講日時  2023年6月10日(土) 10:30〜12:00
・題  目  土地から読み解く歴史
・講  師  宮崎良美
(大和・紀伊半島学研究所 協力研究員)

【第3回】
・開講日時  2023年7月8日(土) 10:30〜12:00
・題  目  「大津皇子、悪龍ト成ル」
        −薬師寺龍王社の祭神と信仰−
・講  師  宍戸香美
(大和・紀伊半島学研究所 協力研究員)

【第4回】
・開講日時  2023年9月9日(土) 10:30〜12:00
・題  目  ガイドブックはタイムマシン−奈良案内いまむかし−
・講  師  樽井由紀
(大和・紀伊半島学研究所 協力研究員)

・会  場  近鉄文化サロン阿倍野
        (大阪市阿倍野区阿倍野筋2-1-40 and4階)


・受 講 料  各1回 会員:1,650円、一般:2,200円


<お申込み・お問合せ>
  近鉄文化サロン 阿倍野
      ・〒545-0052 大阪市阿倍野区阿倍野筋2-1-40 and4階
      ・TEL 06-6625-1771
       (受付時間)10:00〜19:00(日曜日 10:00〜17:00)
        ※休業日 4/29(土・祝)〜5/5(金・祝)、
             8/11(金・祝)、8/15(火)、 8/30(水)、8/31(木)、
             9/30(土)は、受付業務がお休みです。

<講座概要>

【第1回】 2023年5月13日(土) 10:30〜12:00
 ・タイトル  正倉院模造宝物と奈良女子大学
 ・講  師  六車美保(京都大学総合博物館研究員/奈良女子大学非常勤講師)

 奈良女子大学は、正倉院宝物の精巧な模造品を多く所蔵しています。その前身である奈良女子高等師範学校の時代に教材として購入されたものや、関連の品々を含めると総数50点以上になります。それらのほとんどが吉田包春(よしだほうしゅん:1878−1951)という一人の漆工芸家によって作られたものであります。なぜ正倉院宝物の模造品を奈良女子高等師範学校は教材として購入したのか、吉田包春はどのような人物であったのかを、彼の作品を通じて時代背景と共に迫りたいと思います。


【第2回】 2023年6月10日(土) 10:30〜12:00
 ・タイトル  土地から読み解く歴史
 ・講  師  宮崎良美(大和・紀伊半島学研究所協力研究員)

 奈良盆地の景観の特徴のひとつに、基盤目のような南北・東西方向の道路とこれに区画された田畑や町並みがあります。平城京条坊の跡と、条里(じょうり)とよばれる土地の区画です。条里の地割は、古代から中世にかけて、奈良や京都をはじめ日本各地の平野や盆地に施工され、戦後、圃場整備によって失われるまで、数百年にわたって農村景観を形づくる主要な要素でした。この条里の遺構をたどりながら、道や水路、地名などの土地にまつわる資料から歴史をよみといていきます。


【第3回】 2023年7月8日(土) 10:30〜12:00
 ・タイトル  「大津皇子、悪龍ト成ル」−薬師寺龍王社の祭神と信仰−
 ・講  師  宍戸香美(大和・紀伊半島学研究所協力研究員)

 古代史上の悲劇のヒーローとして知られる大津皇子。謀反の罪に問われて死に至ったその生涯はドラマチックで、亡き皇子の姿を二上山と重ねて詠んだ万葉歌はあまりにも有名です。その大津皇子が「悪龍となった」という言い伝えがあるのをご存知ですか?奈良の薬師寺の成立を記した、『薬師寺縁起』という史料に書かれています。実は薬師寺の周辺地域では、水源池を守護する龍神として大津皇子が祀られてきました。龍神となった大津皇子の、知られざる歴史をお話しします。


【第4回】 2023年9月9日(土) 10:30〜12:00
 ・タイトル  ガイドブックはタイムマシン−奈良案内いまむかし−
 ・講  師  樽井由紀(大和・紀伊半島学研究所協力研究員)

 大正時代の英文ガイドブック、昭和、平成、令和時代の観光パンフレットから、奈良観光の変遷を紐解きます。今日の観光の形が当たり前と思っているあなたに、へーえー知らなかった驚きと、面白いの興味を持って頂き、さらに奈良を好きになって頂けたらとおもいます。「鹿しかいない」なんてもう言わせません!


    

 
 作成・管理:奈良女子大学社会連携センター